FTPの測定方法について②

昨日に続いてトレーニング論を。

 

さて、ここから大森さんの問いに対しての回答になりますが、FTPをどうやって設定するべきかについてです。

結論を先に書くと、大きく外れてなければ、どうやって設定してもいいです。

というのも、
FTPってそんなに頻繁に変えるものではない。

本来は実態に合わせて変えるべきだが、実際は厳密に
FTP測定をして、トレーニング進捗に合わせて設定を変えることなんて出来ないと思っています。
厳密な
FTPの設定って、例えば2ヶ月間というトレーニング期間をこなして、テーパリングをして、100%のパフォーマンスが発揮出来る状態で測定をしないと、本当のFTPとは言えない。
かつ、これを2ヶ月なら2ヶ月というサイクルで更新し続けるのが正しい
FTPの測定方法。
ホビーレーサーがこれをやろうとした場合、定常的なトレーニングをこなして、テーパリングをして、定期的な測定が、そもそも出来るかということになり、仮に出来たとしても、テーパリングまでこなさいないといけないのだから、レースとの兼ね合いが難しくなる。
FTP測定の為に、レースへ向けた練習とのスケジュール調整が出来ないっていう本末転倒になるわけです。

もちろん練習が継続して出来ていて、パフォーマンスが明らかに向上しているのであれば設定しなおさないとダメですよ。

ここまでをまとめると、ホビーレーサーの場合、色々な要因でのパフォーマンス(実際の
FTP)の変動幅が大きいので、それと比較したら、FTPの設定方法なんて誤差にしかならないから、どうやって設定してもいいんじゃないの、というのが僕の持論です。

どうやって設定しても、的外れな設定の仕方をしなければ、大きく外れることもないですし、一方で、今この瞬間の正しい
FTPを設定することも絶対に出来ません。

ここから先は、じゃあどうやって
FTPを設定するかの僕からの提案。
もちろん色々な考え方があると思いますし、20分走を実施して、そのベストパフォーマンスの95%を
FTPと設定するというのが正しい設定の仕方、というのを理解した上で書いていますので、これが絶対の答えじゃなくて、考え方のひとつくらいに捕らえて下さい。

前段で、AT、LTがトレーニング強度を決める入り口で、
FTPはその結果出てくるスコア(出口)と表現しました。
まさに、その出口を目標スコアと設定すればいいのではないかと考えています。

要はトレーニング強度は入り口のAT、LTで決めて、目標(ゴール)の設定を出口の
FTPでして、それに対してどうだったという結果の確認をするというやり方です。

もちろん目標スコアっていう意味は、実際は20分走で250wしか出せない人が、いつか300w出せるようになりたいっていう意味で300wという目標を設定するという意味ではありません。
もっと現実的な、2ヵ月後までに20分走で発揮出来るwを10w上げたいとか、近い時間軸での現実的な目標です。

例えばの話しになりますが、調整まではしていないけど、疲れがひどくない日の練習中に20分走で300wが出たとする。その場合、公式でいう95%で285wになりますが、実際のベストパフォーマンスは、ただの練習中のこの値より、テーパリングしたレースの方が数%上がりますから285wよりは上でしょう。
ということで、テーパリングした後の2ヵ月後のレースで何w出したいかという目標スコアを、この285wを基準に考えて設定すればいいんじゃないかというのが僕の考えです。
この場合は290-300wくらいが妥当なところだと思います。厳密にここで悩む必要はありません。結局290wで設定しても、295wでも、300wでも、その日のパフォーマンスの上下動と比べたら誤差ですから。ましてや、気温などの色々な要因でのパワーメーターの測定誤差っていうのもあり得ますからね。

そこまで厳密に考える必要がないという理由のもう一つが、
FTPの利用方法です。

FTPでトレーニング強度を決めることはしないということは既に書きました。じゃあトレーニング強度ってどうやって設定するのということは、次回書きます。

そうすると、僕の場合は、主な利用法はTSSとTSBの管理です。TSSとTSBって考えた人すごいと思います。
実際に継続して練習出来ているとCTLって右肩上がりで上がっていくんですよね。で、110-120くらいで打ち止めになる。そのトレーニングクールでのパフォーマンスが上がりきったていう目安です。
それに、トレーニングを継続して出来ている時はTSBと、体感の疲労度ってある程度はリンクしています。


でも、これってあくまで疲労度とトレーニングがどれだけ出来ているかの目安であって、これを知ったからダイレクトにパフォーマンスが向上したり、トレーニング内容に変化があるわけではないんです。あくまで、この数値を目安に、自分の体感と相談しながらトレーニング内容を決めるべきであって、あくまで最終判断はTSBの数値ではなく、自分と自分の体感。
目安なんだから、厳密じゃなくて、大体あっていればいいんです。

ということで、今回は
FTPをどうやって設定するかについて。
次回はトレーニング強度の設定方法について書く予定です。