FTPの測定方法について
今日は趣向を変えて、日記ではなくてトレーニング論について。
FTPを測るには、20分走のようなフィットネステストが適しているのか、それともある程度の期間乗り込んだデータから解析ソフトでCPとしてはじき出された数値を用いた方が正確なのか。また、選手によってはFTP値に拘るのはナンセンスだという意見もありますが、という問いに対して。
まずはFTPってなんぞやっていうところですが、日本で発行されている自転車の本ってFTPの本質に触れていない、これがそもそも非常にナンセンスです。
わざわざトレーニングの本を買って勉強する様な人なんだから、ある程度深い知識を求めているはず、
なのに前段の説明なく、FTPはこうやって測ります、その何%でトレーニングしなさいって書いてあるだけ。
結論しか書いてない、言い換えれば結論は書かれているので、機械的にトレーニングするだけであれば問題ないとも言えるけど、だったらわざわざ本買って勉強しないでしょ。
そもそも、FTPって生化学的には何の意味もないんです。
大事なのは、あくまでAT(Anaerobic Threshold/無酸素性作業閾値)と、LT(LactateThreshold/乳酸性作業閾値)。
なぜこれが大事かというと、AT、LTってのは極端に言うと、乳酸除去が間に合って、有酸素運動を続けられる、疲れない運動の範囲を現した閾値だから。
このAT、LTとFTPっていうものの値が、パワーメーターのwで見たときに、ある一定条件下では近似値になるから、
日本で翻訳されている本は、全てFTP基準で書かれていて、それ故、AT、LTとFTPの関係が分からないままの人が多い。
こっから先のFTPって言葉は、サイコンに設定した数値のことを指します。
AT、LTというのは、どの様な強度で活動すれば有酸素、無酸素になるかという閾値だから、これを基準にトレーニング強度を決めなければいけない。
一方でFTPというのは、その結果として出てきたwを1時間に換算した値。
例えて書くとAT、LTが入り口で、FTPが出口。
ここで問題があって、FTPというのは測定(もしくは設定)し直さない限り、一定で普遍の値、
一方でAT、LTというのは、トレーニングの進捗、疲労、休息などによって常に変動している。
(もっと厳密に言い始めるとAT、LTというのはwで計測するのではなく、酸素摂取量、血中乳酸値で継続するので、AT、LTとFTPが100%リンクする訳がないが、これを書き始めるときりがないので省略)
実際はAT≒LT≒FTPだから、FTPも日々変化しているのに、それを毎日設定するなんてことはあり得ない。
だから、その日のトレーニング強度はAT、LT値に合わせて設定すべきで、それが設定したFTPに対してどうであったかは結果として確認すべき内容。
僕と一緒にクライムのリピートやったことのある人は分かると思いますが、結構あっさりと、その日の設定タイム、wを変えるのはこういった理由。
じゃあAT、LT値ってどうやって測るのというところですが、厳密に測るのであれば、千駄ヶ谷?にある東京体育館に行けば誰でも計測してくれるはず。今もやっているかは知りませんが…。
もしくは、大学や企業の実験の被験者になる機会があれば測ってもらえます。
そんなの現実的じゃないんで、じゃあどうするかというと、正確な体内時計を身に着ければいいだけ。
5分、10分、20分、30分、60分といった時間で、どの様な体感強度で運動した場合、イーブンペースで設定時間を漕ぎ切れるかを身に着けて、その強度でトレーニングする。
これが結果としてAT、LTに対して何%という練習になっている。
身に着ければいいだけって書きましたが、自転車やっている人は、この設定が本当に下手。自分で強度コントロールをすることが出来ない。
なぜなら、平地で複数人数で走る練習を好んでやってしまって、単独で決まった時間(もしくは距離)走る練習をやろうとしないから。
ということで今回はここまで、トレーニング強度はAT、LTで決めるべきで、FTPで決めるべきではないという持論です。