ツールドひたちなか

■目標

今回は約2年振りのレースとなるので、きちんと自分自身が レース をしながら、チームとして動き、且つ、優勝者をチームから出すことを目標に設定。もちろん、自分自身が優勝するつもりでいるが、チーム員も皆、展開を見ながらアシストしてくれるという、心強い言葉をくれた。


■対策としてやってきたこと

練習としては一人での練習が基本なので、パワーメーターを全ての指標として取り組み、10月はとにかく基礎トレ的な意味合いで、280wまでのペース走に注力。平日、休日ともに文字通りに280w以上に上げることは一度もなかった。その後11月になってからは、平日は週に1-2回ローラーで1−5分のインターバルを実施。週末は土日いずれかで4時間以上と、その中でペース走を300wに設定して実走。 ツールドひたちなかへ向けてという特別なことはしていないが、通常レースへ向けて行う練習をした。

11月中旬になって、練習内容的に出力が足りていないのではという指摘もありながら、そこは疲労が溜まっている中で練習を積んでいるのが原因で、練習内容自体は間違っていないと信じて練習を継続。結果的に、帰国直前の疲労を抜き始めたところで、ローラーで5分371wという自己ベストを記録。帰国後にも風邪をひくという予定外のトラブルもありながら、調子自体はいい状態で当日を迎えることが出来た。 

■結果

6位

■レース内容

11月下旬くらいに帰国出来そうになったところで、大津さんにこの近辺の日程で、最もUnityの為になるレースって何かを相談。ホームゲームとも言うべき、地元でのツールドひたちなかにエントリーすることで決定。この時点では、まだ他のメンバーは誰が参加出来るかハッキリしていなかったが、出るからには単騎でも優勝するつもりで、それ相応に仕上げる決意を固める。僕にとって、Unityジャージを着てのデビュー戦だ。 

ギリギリ天気はもってくれるのではという期待をしていたが、朝起きると雨。結局、レース中止むタイミングもあったが、ほぼ雨の中でのレースとなる。ただでさえ2年振りのレースというところに、ウェットというコンディションもあり、状況次第では安全第一に走って、順位どころではないかもという思いもスタート前によぎる。 

とは言え、チーム員7名固まって最前列からスタート。ウェット路面、久し振りのレースでの集団走、そしてタイヤも今週から始めて使っている、チューブラーのコンチ/フォースでどこまで雨でグリップするのか不安ばかり。ところが、いざ走り出してみると、どれも問題ない。30分程ですぐに レース にも慣れてきて、前半はオーダー的にも体力温存のはずが、前目前目で展開して、自分で逃げを潰しにいくことも。それでも自粛はしてローテに積極的には入らない、Uターンの立ち上がりは意識してゆっくり加速するようにして体力温存。 

この辺りで思い始めたのは、雨で慎重になるのは分かるし、リスクまでは冒す必要無いけれど、集団の大半の人が雨でのグリップの限界値を分かってないし、分かろうとすらしていない(分かろうとすらしていないことの方が大きな問題)。僕自身は走りながら、雨の具合、路面の具合、タイヤがどこまでグリップするのかがだんだん掴めてきて、むしろ集団内でのカーブが遅過ぎてストレスが溜まるくらい。例えば、スタートゴール地点後の第1カーブで前から2番目、3番目にいながら ブレーキ! と声を出している人がいたが、僕に言わせれば、あのコーナーはノーブレーキで曲がれる。 
要注意の人たちは逃がさにようにしながら、そんなこんなで大きな展開はないまま、かなり余裕を残して2時間弱経過。 

レース展開的にどういう展開で飛び出したのか記憶にないが、残り1時間手前から1人で飛び出して逃げ始める。1人で逃げ切るくらいの覚悟でいたが、最初にホームストレートに戻ってきた時、時計が残り1時間を指していたのを見て、泣きそうになったのは内緒の話し。誰か後ろから2人くらい来てくれないかと期待していたが、結局誰もブリッジしてくることはなく一人旅。例え僕が潰されても、それを追うために足を使ってもらって、チームメイトが温存出来ればいいという考えもあった。結局、一人旅は3周弱で終了。後でデータを見ると、この間もラップタイム自体は6:35-45で落ちてはいなかったが、決定的な差になるほど広がることもないので、限界を越える前に調整しながら吸収される。 

独走中のデータ 約19分 AP278w/NP306w Avスピード38.6km 

それでも、20分近く一人でTTしたのでダメージは大きい。残り約45分、果たして残り時間仕事は出来るのか。この辺りで、みんなの足の残り具合を確認。僕は正直に一度独走しているのでキツいと伝える。それでも最後にひと仕事するために、集団中程に下がって休むと少しは回復してくる気がする。 

20分程休んで残り20分強のところで、再度大津さんに足の具合を確認。イケる、でも一回ジャブを打っておきたいという返事。それを聞いて僕は即答、俺が行ってくると。すぐに集団前方に上がっていってジャブの準備。その直後のアンダーパスからの登りでジャブ代わりのアタックを集団右から、そしたら集団左から大津さんもアタック。二人で飛び出す。因みに今日の最大出力は、この瞬間の922w。パッと後ろを見ると、数人追走も来そうだが、それ以降は切れている。残り20分という時間と大津さんとの逃げであれば、逃げ切れると思って大津さんにGoと声を掛ける。何人かに追いつかれて4人?になった後、そこからは大津さんのアシストに徹する。まずはこの逃げが決まるように長めに引く、そして大津さんの体力温存の為に、ローテの順番を調整して、大津さんがローテに入る回数を減らすように。だんだん差が広がり、観客の人から20秒と聞こえる。そこに、救世主神原さん(+1名)がブリッジしてきてくれた。これで逃げは3人/6人がUnity。同じ50%だが、残りのコマ数を考えると、これで僕は心のおきなくアシストに徹する事が出来る。既にほぼ逃げ切り確実とは確信しているが、ほぼではなく逃げ切りを確実にして、スプリントで勝つという詰め将棋。最後の1周、バックストレートへのUターンで後ろの集団を確認すると、まだ牽制すると逃げ切り確実とは言えない位、と言うところで牽制というか引く人がいなくなり、ペースが落ちる。神原さんが前に出ようとするので、上がって行き、俺が引くと伝える。バックストレートを全開で引いて、アンダーパスの先まで走ったところで切れて、後は神原さんと大津さんに全てを託す。フラフラとホームストレートに戻ってくると、前でスプリントする神原さんと、それを見てガッツポーズする大津さんが見える。それを見て僕もガッツポーズでゴールを通過。 

115km 3:01 AP230w/NP259w 2,502kj TSS241

■所感

最後は神原さんの地足と、大津さんに頼った結果だが、レース展開、そして優勝するところまでUnityとしては完勝と言っていいだろう。このレースが出来て、神原さんが優勝してくれたら、僕が6位で表彰されたのなんてオマケみたいなもんだ。(ついでに、Velotozeが1レースで破れたなんて安いもんだ)  

いずれにしても、2年振りのレースで、トラブルなく、しかもUnityとしての初優勝を飾れて最高。

 

■使用機材

フレーム:TREK EmondaSLR 

ホイール:Bontrager Aeolus5 

タイヤ:Continental Force TU 

コンポ:Shimano Di2 

パワーメーター:Pioneer 

ヘルメット:Bontrager Ballista 

シューズ:Bontrager Velosis