加齢に立ち向かう

檜山さんから中高年向けトレーニングについてというお題をもらいました。
中高年っていうワードが適切かは疑問ですけれど、おおよそ30台後半くらいから檜山さんくらいの年齢というイメージでしょうか。
どうやら、トレーニングを続けてもこれ以上速くなることが出来るのか、年齢的な問題で無理なのではと疑問に思ったようです。

自転車の速さを決める要素をフィジカル的に見た場合、もっとも大きな要素は有酸素能力です。
今回はこの有酸素能力にのみ着目します。

有酸素能力の上限は最大酸素摂取量で、オリンピックなどで活躍するマラソン選手は有酸素能力(AT値)が最大酸素摂取量(VO2max)の95%近くにもなります。
AT値をVO2maxの95%まで到達させるのは、並大抵の努力では出来ないことですが、仮に出来たとするとこのような式が成り立ちます。

 自転車の速さ≒有酸素能力≒最大酸素摂取量

では最大酸素摂取量を大きくすればいいかというと、この部分に年齢が引っかかってきてしまいます。
このくらいの年齢ですと最大酸素摂取量を大きくするということは出来ないことであり、逆に30歳くらいから1%/年程度の割り合いで減少していきます。
但し、定期的なトレーニングを実施することによって、この減少は抑えることが可能というのは証明されていますので、このブログを見ている人の大半は加齢によるVO2maxの減少はそこまで気にする必要はないでしょう。

残念なのは檜山さんの場合は、自転車を中断している期間があり、タバコも吸っていたということですので、この間、VO2maxを減少させてしまい、且つ、タバコによってその減少を加速させてしまっていただろうということになります。
もちろんVO2maxなんてことを意識して生活することはありませんが、結果として自分の能力の上限を下げてしまったという言葉に置き換えられます。

さて、檜山さんが疑問に感じた、これ以上速くなることが出来るかという点に戻ると、確かにVO2maxという観点から、底なしに速くなることは出来ません。
しかし、VO2maxに対してAT値がギリギリまで上がっているとも思えませんので、AT値をVO2maxに対して近づけることによって、まだまだ速くなる余地は残っていると言えるでしょう。

フィジカル面しかも有酸素能力という点に絞って、檜山さんがまだ速くなることが出来るという点について書きましたが、加えて経験、テクニカル的な面でも成長は出来るでしょうから、まだまだ檜山さんの活躍に期待出来そうですね。

ということで本日の結論は、そもそも檜山さんに加齢という言葉はないので、心配不要ということにしておきましょう〜。