鎌田が考えるエンデュランス競技のトレーニングについて 第二回

昨日の練習についての投稿に対して、大津さんの質問の回答です。何回か長文が続きそうなので、タイトルを付けました。

大津さんの質問にTSSという言葉があったので、今日はTSSという言葉を使わせてもらいます。パワーメーターを使っていなくて、TSSの意味が分からない人に簡単に説明すると、TSS=練習で身体に掛かった負荷=量×強度です。それをTSS=100を1時間最大努力した場合の数値としたものです。

昨日の投稿の9段落目になりますが、TSSを使ってもう少し詳しく説明すると、TSS300を150km=5時間で積み上げた場合と、200km=7時間で積み上げた場合はTSS上は同じ負荷になります。但し、この場合は短い時間で同じTSSを積み上げた方が、強度は高くなり、循環器系、筋系に与えるポジティブなダメージは大きくなるので、回復した場合のいわゆる超回復率は高くなるわけです。とすると、同じTSSをより短い時間で稼いだ方が練習の効果は上がるわけです。

 

TSS=練習で身体に掛かった負荷が同じでも、量×強度のどちらを多く(高く)して負荷を掛けたかで、トレーニングの効果は変わるってことです。量×強度のどちらを多く(高く)して負荷を掛けたかってのが練習内容を意味します。

実業団レースは短いので、TSSでいうと小さいですが、レースのTSSの一つの目安で300というのは妥当な数値だと思います。では、TSS300の練習を休みの日にはやって下さいというのが、僕のメッセージになりますが、練習の効果がより高いのは、より短い時間でTSS300を積み上げた場合です。とすると、TSS300は練習では何時間で積み上げられますか。

理屈上3時間未満は無理です。

4時間でTSS300は、例えばGWのもてぎ4時エンデューロで実際に経験したことがありますが、これはあくまでレースだから出来た負荷であって、練習でTSS75/hを4時間続けるのはかなり厳しいと思います。

5時間=60TSS/hとなると、練習としてはかなり現実的なものになるわけです。

 

このままゼロから全てを書くと、永遠と長文を書かないといけないので、まずは今日は練習の負荷(TSS)と量についてまでで、レーススピードに対応する練習、想定を超えた強度にはどうすればいいか、については、また明日辺りに書きます。これについては、パワーを使わないで書くつもりですので、みんなにも分かり易いと思います。